フランス翻訳者協会 (SFT) : プロの翻訳者のネットワーク

翻訳者や通訳者になったら、一番はじめにしなければならないことはネットワークを作るということだと思う。それはなぜだろうか。簡単だ。客や同僚との接点を持つためには、自分の存在を知ってもらうことが必要だ。そのためのいちばん簡単な方法は翻訳者協会だ。翻訳者協会は、世界中の翻訳者や通訳者が一堂に会し、情報を提供し、サポートすることを目的としている。だからこそ、翻訳者協会は最高の方法だと考える。特に、最近数が増加しているので、簡単に見つけられる。そこでこの記事では、フランスの翻訳者協会について話したいと思う。準備はいいだろうか。ではまず紹介から始めよう。

紹介

フランス翻訳者協会は一番有名な翻訳者協会だ。1947年に設立された。本来は翻訳者のために組合だ。今1600人のメンバーがいて、一番古いフランスの翻訳組合だ。労働組合として、翻訳者だけでなく通訳者の利益を守り、フランスでこの分野の職業を促進している。さらに、すべての翻訳職種が網羅されている。例えば、フリーランスの翻訳者や技術翻訳者や文学翻訳者や会議通訳者などだ。その上SFTは世界で最も古い翻訳者協会の一つで、国際翻訳者連盟(FIT*)の創設メンバーでもあった。FITはパリで1953年に設立されて、世界中に100以上の翻訳者協会がある。国家レベルで、SFTは将来の翻訳者を養成する学校や大学と密接な関係を持っている。

* FITについてさらに詳しく知りたかったら、このリンクをクリックしてください。(https://www.fit-ift.org/)

メンバーシップと利点

翻訳者協会の特典を享受するためには、会員登録が必要だ。しかし、誰が参加できるのだろうか。基準は何か。そして、そのお金を払う価値のある利点とは何だろうか。それらの質問に答えよう。

①誰が参加できるのか?

SFTの会員は、フランス語を扱うプロの翻訳者であれば誰でも参加できる。プロの翻訳者というのは、この分野で1年以上活躍している人を指す。そのため、正会員(フランスに住んでいる方)と対応する会員(フランス以外に住んでいる方)のいずれかになる。専門職に就いて1年未満の場合は、試用期間中を意味するプロベーショナリー・メンバーになることができる。ただし、翻訳に関係のある方(退職者、一時的に退職した方、教師や研究者、マスター2(またはそれに相当するもの)の学生)は、準会員としてSFTに参加できる。

②入会の条件は?

上記のような人であれば、おめでとう!最初のステップを通過した。しかし、それに加えて、次のことをしなければならない。それは、協会の中で倫理綱領つまり、守るべきルール のようなものだ。さらに、誰であるかとか、どんな職業をしているかを照明するために、いくつかの書類*を提出しなければならない。そう、フランスは書類の国なのだ。どこにいても逃れられない。年会費は言うまでもない。初めての方は、入場料として40ユーロ(約5200円)を追加して払わないとならない。それ以外の場合は、SFT内での地位に応じて、正会員またはそれに相当する会員は210ユーロ(約27400円)、プロベーショナリー・メンバーは105ユーロ(約13700円)、準会員は52.50ユーロ(約6900円)となる。

* 書類についてさらに詳しく知りたかったら、このリンクをクリックしてください。https://www.sft.fr/justificatifs.html

③会員にとって利点は何?

以上の手順をすべて踏めば、SFTの会員になったことになる。でも、どのような利点があるのかご存じだろうか。ここではその一部をご紹介しようと思う。利点は次のようなことである。

– 倫理綱領で結ばれたプロのネットワークに所属できる

– 同僚との出会いや交流できる

– 全般またはテーマ別のフォーラムにアクセスし、あらゆる分野の同僚と交流できる

– フランス国内で開催される質の高いイベントやトレーニングコースに優待価格で参加できる

– FIT会員や海外のパートナーが提供するイベントやトレーニングコースへに参加できる

– SFTのニュースレター「Tradzine」を受信できる

– オンラインデータベースと会員名簿に掲載できる

– 製品やサービス(CATツール、辞書など)を購入する際に、交渉による割引を受け取れる

もちろん他にもあるが、すべてを挙げるとさらに長くなる。そのため、全ての利点を確認したい場合は、以下のリンクをクリックしてください。https://www.sft.fr/adherer-a-la-sft.html

④非会員にとって利点は何?

会員としての利点だけでなく、非会員にもいくつかの利点がある。一つ目は、SFTの会員名簿を受ける。特に、「翻訳してほしいけど、誰に頼めばいいかわからない」という潜在的な顧客にはとても便利だ。この会員名簿は、言語ペアや専門分野ごとにすべての翻訳者をリストアップすることができる。もう一つの利点は、翻訳に関する特定の情報にアクセスできるということだ。料金やプロの探し方など、SFTではこれらの情報を公開している。

活動と教育

SFTの基本的な知識と、それがもたらす利点を活かした参加方法については、ご理解いただけただろうか。では、この組合が提供する活動や教育を見てみよう。

①ニュース

まずは、ニュースだ。これは、その名の通り、SFTや翻訳全般、特にフランスにおける最新のニュースを会員や非会員に伝えるためのウェブサイト上のセクションだ。出版された本でも、カンファレンスでも、さらにはフェスティバルでも、すべてがそこで更新される。

②出版

その名の通り、プロの翻訳者が興味を持つ可能性のある、SFTが参照しているすべての書籍がリストアップされている。各書籍には短い説明文が添えられている。本を買いたくない人も、大丈夫! PDF版が用意されており、問題なく資料をダウンロードすることができる。しかも無料だ。そうでなければ、参考文献を参考にして、近くの本屋さんで必要なものを探してみよう。

③小口広告

小口広告セクションでは、採用担当者や翻訳者が求人情報を掲載することができる。他の求職サイトと同じように、仕事内容や必要なスキルを記述するだけだ。また、クライアントを探している翻訳者のサービス内容を説明することもできる。

④教育

SFTは教育コースが充実しており、翻訳者向けのコースもある。翻訳そのものや、翻訳者が必要とされる分野において、さまざまな種類の教育コースがある。フランスの現場で行われるものもあれば、「リモートトレーニング」もある。つまり、テレビ会議による遠隔地での開催だ。健康の状況を考えると、これは非常にタイムリーだ。また、SFTでは、マルチプロフェッショナル教育を提供している。これは、ある分野のすべての職業に開かれていることを意味している。もちろん、自営か雇われかという翻訳者の身分にも適応している。

調査や投票の実施に加えて、これらの行動はすべて、翻訳者が自分たちの権利を認識し、集団的にも個人的にも自らを守ることができるようにするためのSFTの労働組合活動の一環だ。これにより、メンバー間の交流と理解を深めることができる。

これで終わりだ。この記事が役に立ち、SFTや一般的な翻訳者協会の魅力について多くのことを学んでいただけたなら幸いだ。今はピンと来なくても、協会は翻訳者の最大の味方だということを忘れないでほしい。

ファヴル・ローラ (Favre Laura)


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