翻訳会社で翻訳の仕事をする

翻訳会社とは?

翻訳者というと、自宅で仕事をするフリーランサーのイメージがあります。しかし、他の翻訳者と一緒にいわゆる翻訳会社で仕事をすることもできます。翻訳会社にはいろいろあり、どの会社にもそれぞれ独自の働き方がありますがどの会社も多言語に対応し、高品質の翻訳を提供することを目指しています。そのために、いろいろな役割の人が分担して翻訳業務に携わっています。例えばこのようなタイプの仕事があります。

  • プロジェクトマネージャー:プロジェクトを先頭し、翻訳プロセス全体を計画し、納期と予算を守りながら、全てのステップが問題なく行われることを確認する責任者です。クライアントと.翻訳チームの仲介役なのです。
  • 翻訳者:言語の専門家であり、プロジェクトの中で最も大切な部分を担当します。専門用語やクライアントの指示を守りながら、完璧な翻訳を目指します。
  • 編集者と校正者: 翻訳をレビューし、ミスがあれば修正し、翻訳の品質を保証するステップです。編集者は原文と訳文を並べてチェックし、校正者は訳文のみを品質基準を満たしたようにチェックします。

翻訳会社におけるワークフロー

次に、翻訳会社におけるワークフローについて話しましょう。翻訳会社における翻訳は、複雑な工程を経ており、その工程は大きく3つに分けられます。

  • 準備

まず、プロジェクトマネージャーがクライアントから翻訳の依頼を受けます。そして、字数、文章の種類や難易度、翻訳に必要な時間の見積もりなど、プロジェクトを徹底的に分析します。その後、クライアントに見積書をお送り、プロジェクトを開始します。

  • 翻訳

これからは、プロジェクトの最も重要な部分となります。翻訳者が原文を受け取り、それを翻訳します。その後、翻訳が終わっても、まだ納品には至りません。その前に、いくつかのステップがあります。翻訳者も人間ですから、時にはミスをすることもあります。このようなミスが最終製品に残らないように、翻訳したものを編集者に渡します。編集者は原文と訳文を照らし合わせながら意味の間違いがないかとか訳し忘れがないかなどチェックし、修正します。

  • 品質保証と納品

修正の後、ネイティブの校正者が訳文のみを読み、文法やスペリングをチェックしてすべての間違いを直します。そして文章が自然で読みやすいかどうかを確認し 、最終のチェックをします。そのステップが終わると、プロジェクトマネージャーは最後の社内品質チェックを行い、翻訳がクライアントの要求(品質、形式)を満たしていることを確認します。最後に、ファイルをクライアントに送信します。クライアントは最終製品を確認し、必要に応じてフィードバックします。

翻訳会社で働くことのメリット

翻訳者として、翻訳会社で働くことは、フリーランスとして働くことに比べて多くのメリットがあります。そのため、多くの翻訳者、特に初心者が翻訳会社に所属しています。

プロとして翻訳を始める時に一番難しいのは、クライアントを見つけることです。翻訳会社に勤めていれば、そのような問題はありません。翻訳会社がクライアントを見つけ、翻訳者に安定した仕事を提供してくれるのです。翻訳者は見積もりや帳簿など気にしないで、翻訳だけに集中することができます。

時には、クライアントが少し気難しいこともありますよね。辛抱強い人でないと、コミュニケーションを取るのも大変になるかもしれません。でも、翻訳会社では、これはプロジェクトマネージャーの役割なのです。プロジェクトマネージャーにコミュニケーションに関することを任せ、翻訳者は自分の得意分野である翻訳に集中できます。

最後に、初心者の翻訳者にとって一番心配なことである「収入」についても、翻訳会社はサポートしてくれます。特に経験のない場合は、クライアントを見つけるのは難しく、時間がかかるものです。翻訳会社で働けば、月末に安定した報酬が支払われるのは確実です。

翻訳会社で働くことのデメリット

フリーランス翻訳者の中には、「直接クライアントと仕事をした方がいい」と、翻訳会社との仕事を拒否する人もいます。これは少し大げさかもしれませんが、確かに翻訳会社での勤務にはいくつか不都合なこともあります。

まず、収入がフリーランスとして働いているときよりも低いということです。なぜなら、一つのプロジェクトに対して翻訳者は自分一人ではなく、全員が報酬をもらわなければならないからです。キャリアの駆け出しのころは翻訳会社で働くことは有益ですが、このような理由から、十分な経験を積んだ後、フリーランスになる翻訳者が多いのです。

次に、翻訳会社での勤務は自由が少ないということです。翻訳会社で働くということは、チームの中で働くということでもあります。つまり、いつでもどこでも好きなときに仕事ができるわけではありませんし、翻訳会社の仕事の流れや習慣に従わなければなりません。

どんなビジネスでも、「時は金なり」ですね。翻訳も例外ではありません。翻訳会社は通常、非常に厳しい納期を要求してくるので、できる限り効率的に仕事を進めなければなりません。常により良い仕事、より速い仕事を求められるので、ストレスを感じ、不安になりかねません。その点、フリーランスの翻訳者は、自分のワークフローを自由に管理することができます。

翻訳会社で働きたいなら

この記事を読んで、まずは翻訳会社で働いてみたいと思ったのではないでしょうか?ここで、憧れの翻訳会社に入社するためのちょっとしたアドバイスをしましょう。

ほとんどの翻訳会社では、少なくとも翻訳に使う言語が得意であることと翻訳の学位や専門的な勉強が必要です。時にはプロの翻訳者としての経験も求められます。そうでないところもありますが、少なくとも卒業証書がなければ仕事を見つけるのはかなり難しくなるかもしれません。

翻訳会社が履歴書をチェックし、面接を行った後、翻訳者のスキルを評価するために翻訳テストが行われることが多いのです。翻訳テストには十分な時間がありますので、安心して頑張ってください。翻訳したテキストは翻訳会社の人の評価を受け、フィードバックをもらいます。あなたの翻訳が十分質のいいものだったら、採用されるでしょう。たとえ不合格でも、次回はもっと良い翻訳ができるようにアドバイスをもらえるのです。

毎日朝6時に起きて、夜8時までに事務所にいるよりも、 在宅で働いた方がいいという人は、次のように考えてみてください。実際は、多くの翻訳 者が実際に在宅で翻訳会社と契約して仕事をしているのです。採用プロセスと会社での役割 は基本的に同じですが、家にいることができますよ。結局のところ、ほとんどの翻訳者は翻訳会社で働くか、翻訳 会社に所属しているのです。あなたもそのようにしてみたらどうでしょうか。

ポール・アブリウ


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