校正―全てのミスを直しましょう

文章を注意深く観察し、スペル、文法、文体や誤植を修正することは、校正の仕事において重要な要素です。実際に、単純なスペルミス、助詞の間違いやコンマを1つ忘れただけで、文意が大きく変わってしまうことがあります。

例えば下の2つの文を見てください。よく知られた例です。

  • ここでは、きものを脱いでください。
  • ここで、はきものを脱いでください。

またこのような文もあります。

  • おばあちゃんと食べましょう。
  • おばあちゃんを食べましょう。

この例ではおばあちゃんの運命は助詞一つで、すっかり変わってしまうことが分かります。では、これから校正という仕事についての質問に答えていきましょう。

「校正とのは何ですか」

校正は、翻訳プロセスの最後のステップの一つです。 このステップでは、原文の翻訳が正確で、翻訳者が質の高い仕事をしたことをしたことを確認します。現在ではニューラル機械翻訳の大きな進歩により、機械翻訳されたテキストの校正を依頼されることもあります。しかし、この作業は校正ではなく、ポストエディットと呼ばれているものです。

「誰が翻訳を校正してくれるのですか」

自身の誤りを気付くのことは困難なので、理想的には同僚の他の翻訳者により最初の翻訳者が気づかなかった誤りを発見できるようにすることが好ましいです。校正者は自分の好みに合わせて文章を変えてはならないので、難しい仕事です。

「どうすれば校正者になれますか」

たいてい、校正者は、翻訳やジャーナリズムなどの分野で、母国語の修士号を取得していることが多いです。しかし、それ以外の人も、優れた文章力を発揮すれば、専門的なテキストの校正者として成功するケースもあります。そのためには、専門的な知識を学んでおくのが大切です。例えば、法律に関する知識は、法律文書の校正にとても役に立ちます。実際に校正者として採用されるには、校正テストが要求されることが多いです。

「校正者になりたいのですが…アドバイスをくれませんか」

まず、音読しましょう。この単純な習慣は、文章に何か問題があることを明らかにし、昔から校正の有効な方法とされてきました。次に、テキストが長かったら、校正をするときに、適度な休憩を入れましょう。また、事実関係の確認は必ず行ってください。数字や計算や日付や人名や地名などを常に再確認しましょう。最後に、文法、スペル、句読点をチェックしましょう。マイクロソフト・ワードなどのスペルチェッカーが非常に便利です。英語やフランス語の勉強や仕事の内容であれば、Antidoteというソフトウェアもお勧めです。

Antidoteというのは大学生や翻訳者や校正者やプローなどの文章作成を支援するために開発された、非常にすぐれたソフトウエアです。文法とスペルのチェッカー、辞書搭載、シソーラス、文法や構文のヒントなどを含む非常に効率的かつ強力なツールです。

フランス語は私にとって母国語ですが、Antidoteを使っています。正直なところ、フランス語はとても複雑な言語だと思います。スペルや文法は難しく、膨大な数のルールがあり、ほとんどすべてのルールに例外があります。このため、Antidoteというソフトウェアを用いるのは私にとって有効な手段で、自分のミスを見つけ、すばやく直します。そして、Antidoteというソフトウェアは英語とフランス語の品質保証において、翻訳に使用することができる非常に効率的なツールです。

「品質保証というのは何ですか」

翻訳の過程において、校正やポストエディットは、品質保証(QA)に位置づけられます。現在、SDL Trados StudioMemoQなど、ほとんどのCATツール「コンピュータ翻訳支援ツール」には品質保証を行うためのコンポーネントが多数用意されています。品質保証の目的は、クライアントに渡す前に翻訳されたテキストが完璧であることを保証することです。

このブログの記事を読んで、皆さんが興味を持ち、校正者として働くきっかけになるのであれば幸いです。

パルミエリ・セバスチャン

グルノーブル・アルプ大学(フランス)応用言語学部日本語学科


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