社内翻訳者になりませんか?

世界的なコミュニケーションニーズの高まりにより、翻訳がブームになっています。翻訳というと、言語サービス提供業界の最前線に立っているフリーランスの翻訳者や翻訳会社がもちろん思い浮かびます。しかし多くの駆け出しの翻訳者や、視野を広げたいベテラン翻訳者にとって忘れられがちな事があります。それは、特定の企業の社内翻訳者になることですさてフリーランサーと社内翻訳者の相違は何でしょうか。詳しく見ていきましょう。 そもそも社内翻訳者を雇うのはどのような企業でしょうか? 翻訳会社や自営業がフリーランサーの領域ならば一般的に、社内翻訳者は企業や国際機関で仕事します国際機関で働くことについては、別の記事で説明されているので、この記事では企業の場合に焦点を当てます。ではどんな会社でも社内翻訳者を雇うことができるのでしょうか?理論的にはできるはずですが、実際はそのような会社は少ないのです。理由は翻訳部門を作るのに資金がかかるからです。専門家を雇ったり翻訳ツールを購入したりする資金がない、あるいは単に必要なオフィススペースがないなどの理由によりほとんどの企業は翻訳ニーズに対応するために翻訳会社に依頼することのほうを選びます。 だから、翻訳部門は通常、大企業、特に多国籍企業に置かれています。なぜならこのような企業は必要な手段を持ち複数の国で事業を展開しているため、専門家に翻訳しなければならない重要な資料を持っているからです。そのため社内翻訳者になりたいなら、多国籍企業に就職するのがいいかもしれません。しかしどんなに資金が豊富な企業でも、社内翻訳者の部署は稀で、翻訳会社に仕事を依頼することが主流となっているのが現実です。つまり企業に採用される機会は稀かもしれませんがリーランサーとして働くのと比較すると、いくつかの利点があります。 社内翻訳者として働くメリット 社内翻訳者として働くことには多くのメリットがありますが、その中で最も重要なのは固定収入です。企業で働く翻訳者はフリーランサーの変動する収入に比べれば、安定した与が提供されます。また経済的にCATツールなどの翻訳ツールのライセンス取得の心配がなく、会社から支給されるので翻訳者に負担が軽減されます。経理やマーケティングなどの煩わしい業務も自分で扱わなくてすみます。仕事環境については、社内翻訳者の場合、直接接する人とチームを組んで仕事をすることが多いので、翻訳の細かい点について相談したいときは、レビューアが部屋の向かいにいるので非常に便利です。翻訳する内容については、社内翻訳では通常、会社の専門に関連する文章が中心となるため短期間で専門家になることができます。最後に、いくつもの会社から一度に仕事を請け負うことはないし、地球の反対側にいるクライアントから仕事を受ける場合のように時差を考慮する必要がないという利点もあります。 そしてデメリット もちろん、欠点のない仕事は存在しないし 社内翻訳でも同じことです。例えば翻訳ツールは業務契約に従って支給されるとしても翻訳部門は会社の数ある部門の一つにすぎず、 購入するための予算が制限されることが多いため 最新鋭のものではないかもしれません。給与については、収入が固定しているため、仕事が多ければ フリーランスの方が多く稼げる可能性もあります。また所属する部署の働くスタイルに従う必要があり、 翻訳以外の業務を受け持たなければならないこともあります。 そして会社員として勤務時間の長さや組織についての自由度は低く、急ぎの仕事があれば残業する 可能性もあります。フリーランスと比較すると翻訳する文章も同じようなものが多いので、時間がたつと飽きるかもしれません。 けっきょくフリーランスより有利でしょうか? 社内翻訳者は自由がない仕事といって題視する人もいますが、安定した給料やチームワックど多くのメリットがあると思もいます。しかし翻訳の世界で自活することに不安があるのであれば社内翻訳は立派な選択肢の一つです。また自分のサービスを売り込む必要がないのはとても楽で、一度試したらもう戻れないでしょう。 ルヴェ・ロマン

フリーランス翻訳者になるためのヒント

翻訳者の様々なキャリアの中で、フリーランス翻訳者は、おそらく最も自由度の高い仕事でしょう。実際には、フリーランス翻訳者の仕事は、他のカテゴリーの翻訳者の仕事と重なる部分が多いです。そのうえ、自分自身がボスであるため、専門分野、クライアント、そしてスケジュールさえも自分で選ぶことができます。しかし、フリーランス翻訳者として働くためには、自己管理だけでなく、組織的なスキルが必要です。 フリーランス翻訳者って何? フリーランス翻訳者は、自営業のプロです。企業、中小企業、非営利団体、政府など、翻訳を必要とするあらゆる団体をクライアントとして、直接取引を行います。ときには、翻訳会社がクライアントを獲得した際に、仕事を実行するためにフリーランスを雇うこともあります。しかし、いずれにせよ、フリーランス翻訳者は、自分が選んだ人のために、選んだテーマで、選んだ料金で、自由に翻訳をすることができるのです。 ビジネスの立ち上げ もちろん、フリーランス翻訳者は翻訳者である以上、翻訳のスキルが不可欠で、語学にも長けていなければなりません。しかし、フリーランス翻訳者になるためには、特にビジネスとマーケティングのスキルが必要です。そこで、翻訳ビジネスを成功させるためのヒントをいくつかを紹介しましょう。 まず、ビジネスプランを立てましょう。どのようなクライアントをターゲットに、どのようにマーケティングを行うかを明確にしてみましょう。自分の個性に合わせて戦略を選ぶことが大切です。例えば、コミュニケーションが得意な人であれば、自分でクライアントを開拓することもできます。しかし、安全面を重視するならば、翻訳会社に依頼するのも一つの手です。 あなたが興味のある内容について翻訳してみるのはいかがでしょうか。好きなことほど、仕事の質が上がります。自分が興味のあるテーマで翻訳を探すようにしましょう。クライアントは、翻訳者が自分の分野に興味を持っているとわかれば、翻訳プロジェクトを安心して任せることができ、その後も仕事を依頼する可能性が高くなるでしょう。 そのためには、専門分野を選択することが大切です。自分の職歴や、学歴から専門分野を決めるのです。例えば、生物学とか工学とかを勉強していた人なら、科学論文や工業マニュアルの翻訳に問題なく対応することができるでしょう。 最後に、プロジェクトに挑戦することを恐れないようにしましょう。「自分のコンフォートゾーンに固執しないこと。」たとえ特定分野が苦手でも、優れた戦略とリサーチがあれば、その分野の専門家でなくても、あらゆるタイプの翻訳を手がけることは可能です。燃え尽きたり、お金や時間を無駄にしない限り、どんな経験でも積んでおくとよいでしょう。 重要なスキルと役得 もちろん、良いフリーランス翻訳者になるには、一般的に有能な翻訳者であることもが必須条件です。そのためには、翻訳者は安心して仕事ができるよう、いくつかの重要なスキルや役得を心得ておく必要があります。 まずは、本当に高い語学力、特に母国語の語学力が必要になってきます。また、母国語から第二言語に翻訳することも多く、仕上がりには高い品質が要求されます。つまり、翻訳する第二言語は母国語に近いものでなければならないので、第二言語もできる限り練習しておくことが必要です。 次に、絶対にマスターしておきたい必須アイテムは、翻訳サポートツールです。文書や帳簿を作成するオフィスソフト、翻訳をプロ化するSDL Trados Studioなどの翻訳ソフトなどのツールを使いこなすことができれば、翻訳者としての仕事をより簡単に進めることができます。 フリーランス翻訳者として、ほとんどの場合、自宅で仕事をすることになるので、健康的で生産的なワークライフバランスを管理する必要があります。これは、タイムマネジメントとも関連しています。納期を考えながら、自分のリズムに合わせて勤務時間を選びましょう。でも、無理しないでください。仕事とプライベートは分けて考えましょう。すべてを混合しないことで、瞬く間に効率的になります。 クライアント探し フリーランス翻訳者として、翻訳以外にクライアントを見つけることが最優先事項の1つになります。しかし、クライアントは、企業やあらゆる業界の機関や大学、そして個人など、世界中にいます。 ここでは、クライアントを見つけるためのリソースをいくつか紹介します。 – オンラインポータルやディレクトリ – 翻訳会社の団体 – 業界誌 – Google検索 – ソーシャルメディアプラットフォーム – イベント – 紹介 – 他の翻訳者に推薦を依頼する フリーランス翻訳者の仕事について詳しくなったところで、夢の仕事を始めるには、自分の能力を最大限に発揮し、最も自分に合った戦略をとることが大切です! ラクトゥル・ルカ

校正―全てのミスを直しましょう

文章を注意深く観察し、スペル、文法、文体や誤植を修正することは、校正の仕事において重要な要素です。実際に、単純なスペルミス、助詞の間違いやコンマを1つ忘れただけで、文意が大きく変わってしまうことがあります。 例えば下の2つの文を見てください。よく知られた例です。 ここでは、きものを脱いでください。 ここで、はきものを脱いでください。 またこのような文もあります。 おばあちゃんと食べましょう。 おばあちゃんを食べましょう。 この例ではおばあちゃんの運命は助詞一つで、すっかり変わってしまうことが分かります。では、これから校正という仕事についての質問に答えていきましょう。 「校正とのは何ですか」 校正は、翻訳プロセスの最後のステップの一つです。 このステップでは、原文の翻訳が正確で、翻訳者が質の高い仕事をしたことをしたことを確認します。現在ではニューラル機械翻訳の大きな進歩により、機械翻訳されたテキストの校正を依頼されることもあります。しかし、この作業は校正ではなく、ポストエディットと呼ばれているものです。 「誰が翻訳を校正してくれるのですか」 自身の誤りを気付くのことは困難なので、理想的には同僚の他の翻訳者により最初の翻訳者が気づかなかった誤りを発見できるようにすることが好ましいです。校正者は自分の好みに合わせて文章を変えてはならないので、難しい仕事です。 「どうすれば校正者になれますか」 たいてい、校正者は、翻訳やジャーナリズムなどの分野で、母国語の修士号を取得していることが多いです。しかし、それ以外の人も、優れた文章力を発揮すれば、専門的なテキストの校正者として成功するケースもあります。そのためには、専門的な知識を学んでおくのが大切です。例えば、法律に関する知識は、法律文書の校正にとても役に立ちます。実際に校正者として採用されるには、校正テストが要求されることが多いです。 「校正者になりたいのですが…アドバイスをくれませんか」 まず、音読しましょう。この単純な習慣は、文章に何か問題があることを明らかにし、昔から校正の有効な方法とされてきました。次に、テキストが長かったら、校正をするときに、適度な休憩を入れましょう。また、事実関係の確認は必ず行ってください。数字や計算や日付や人名や地名などを常に再確認しましょう。最後に、文法、スペル、句読点をチェックしましょう。マイクロソフト・ワードなどのスペルチェッカーが非常に便利です。英語やフランス語の勉強や仕事の内容であれば、Antidoteというソフトウェアもお勧めです。 Antidoteというのは大学生や翻訳者や校正者やプローなどの文章作成を支援するために開発された、非常にすぐれたソフトウエアです。文法とスペルのチェッカー、辞書搭載、シソーラス、文法や構文のヒントなどを含む非常に効率的かつ強力なツールです。 フランス語は私にとって母国語ですが、Antidoteを使っています。正直なところ、フランス語はとても複雑な言語だと思います。スペルや文法は難しく、膨大な数のルールがあり、ほとんどすべてのルールに例外があります。このため、Antidoteというソフトウェアを用いるのは私にとって有効な手段で、自分のミスを見つけ、すばやく直します。そして、Antidoteというソフトウェアは英語とフランス語の品質保証において、翻訳に使用することができる非常に効率的なツールです。 「品質保証というのは何ですか」 翻訳の過程において、校正やポストエディットは、品質保証(QA)に位置づけられます。現在、SDL Trados StudioやMemoQなど、ほとんどのCATツール「コンピュータ翻訳支援ツール」には品質保証を行うためのコンポーネントが多数用意されています。品質保証の目的は、クライアントに渡す前に翻訳されたテキストが完璧であることを保証することです。 このブログの記事を読んで、皆さんが興味を持ち、校正者として働くきっかけになるのであれば幸いです。 パルミエリ・セバスチャン グルノーブル・アルプ大学(フランス)応用言語学部日本語学科

翻訳プロジェクトマネージャー―どんな船にも船長が必要

薄暗いオフィスで、黙々とパソコンを打ち、外国語の謎を解いていく孤独な姿。翻訳者というと、そんなイメージが頭に浮かぶかもしれません。確かにそうかもしれませんが、それは正確とは言えません。なぜなら、この数年間、言語サービス分野は驚異的なスピードで成長し、翻訳プロジェクトは一人では手に負えないほど大きなものになったからです。そのため、複数の翻訳者、校正者等のチーム全体が必要とされています。しかし、全員の力をどのように調整し、調和させればいいのでしょうか。 どうすればいいのか悩んでいるうちに、どんどん波が押し寄せてきます。「翻訳」という海に迷い込んだ時は、どんな船にも船長が必要です。そして、プロジェクトの大海が荒れると、その舵をしっかり握るのが、プロジェクトマネージャーなのです。これがプロジェクトの全過程において、どれだけ重要な存在であるか、一緒に見てみましょう。私が、この未知の領域を案内します。 プロジェクト開始―「出発しよう!」 « ♫ » あなたがプロジェクトマネージャーだとしましょう。メールの着信音が聞こえました。お客様からようやく注文が入りました。さて、どうしましょうか?チームのメンバーにメールを転送するだけですか?言うまでもなく、それはあまりにも簡単すぎるでしょう。 まず、現実的なスケジュールを立てるために、プロジェクトの要件(どの言語からどの言語に訳すのか。翻訳のテーマ、ジャンルは何か。いつまでに訳すのかなど)を理解する必要があります。スケジュールのバランスを取ることも大切です。スタッフが仕事に飲み込まれないようにしましょう。 また、翻訳者のためにファイルを準備する必要があります。しかし、お客様がWord文書を送ってくれるとは限りません。JPG、 PDF、XML、DTP等、さまざまなフォーマットが送られてくるので、翻訳者と校正者がそれを変えられるようなフォーマットに変換しなければなりません。 それから、翻訳メモリや用語集、スタイルガイドなど、チームの作業を円滑に進めるために役立つものがないか、お客様に尋ねることも望ましいです。そうすれば、スタイルと単語の両方を調和することもできます。 もちろん、予算を組むこともプロジェクトマネージャーの役割です。お客様は必要な作業量を過小評価することが多いので、料金交渉をすることを覚悟しておきましょう。新人だからといって、「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざのように、他人に利用されてはいけません。さあ、勇気を出して、今こそ自分の主張を通す時です!ただし、決して丁寧な態度を忘れてはなりませんね。 このように、プロジェクトマネージャーにはコミュニケーション能力が欠かせません。お客様のガイドラインをすべて理解し、それをチームの各メンバーにできるだけ明確に伝えることです。しかし、最も重要なのは、チームメンバーが各自の仕事に集中できるよう、常に気を配り、「雑用」もこなさなければならないということです。 プロジェクト期間中―「羅針盤を絶対に見失ってはいけない。」 翻訳そのものを担当しないとはいえ、のんびりできるわけではありません。 スタッフの仕事をこまめにチェックするのがプロジェクトマネージャーの役目です。常に問題点に目を配ることが、良い船長になるための資質です。 また、お客様に進捗状況を報告することも大切です。なぜなら、満足した顧客は、また戻ってきてくれる顧客だからです。信頼性を示したら、貴重な紹介先を獲得することができるでしょう。 お客様にファイルを送る前に、必ずダブルチェックをしましょう!どんなに優秀な校正者でも、誰にでも間違いはあります。プロジェクトマネージャーとして、自分が最後のチェックポイントであることを忘れてはいけません。もしミスを見落としたら、校正者ではなく、自分が責任を負うことになります。船が沈んだら、船長も一緒に沈まなければならないのです。 プロジェクト終了―「陸だ!」 もうすぐです。 ファイルを完全にチェックした結果、お客様は仕事に満足しています。 遠い灯台のかすかな光が見えます。 ファイルをメールに添付し、お客様のメルアドを打ち込みます。 カモメの鳴き声が聞こえます。 「送信」をクリックします。 ついに、陸地に着きました。 しかし、喜ぶにはまだ早いです。乗組員と宴を張る前に、最後の仕事が残っています。それは事後検証、つまりチームが、今回のプロジェクトを反省する機会のことです。どのような問題が発生したのか?どのような解決策を思いついたか?など。過去の成功や失敗に基づき、次回はよりうまくいくはずです。確かに、「温故知新」と言われていますね。 プロジェクトマネージャーの仕事は厳しいと思われるかもしれません。どんなにプレッシャーがあっても、プロジェクト全体を管理し、冷静に対処しなければなりません。しかし、挑戦する覚悟がある人にとっては、やりがいのある仕事です。言語サービス分野、翻訳者にかぎらず、これほど面的な仕事だと思うと、わくわくしませんか?そして、大海の広さを見てこのような考えが頭に浮かぶのではないでしょうか。 「冒険はこれからだ!」 ハナエ・ムニエ

翻訳会社で翻訳の仕事をする

翻訳会社とは? 翻訳者というと、自宅で仕事をするフリーランサーのイメージがあります。しかし、他の翻訳者と一緒にいわゆる翻訳会社で仕事をすることもできます。翻訳会社にはいろいろあり、どの会社にもそれぞれ独自の働き方がありますがどの会社も多言語に対応し、高品質の翻訳を提供することを目指しています。そのために、いろいろな役割の人が分担して翻訳業務に携わっています。例えばこのようなタイプの仕事があります。 プロジェクトマネージャー:プロジェクトを先頭し、翻訳プロセス全体を計画し、納期と予算を守りながら、全てのステップが問題なく行われることを確認する責任者です。クライアントと.翻訳チームの仲介役なのです。 翻訳者:言語の専門家であり、プロジェクトの中で最も大切な部分を担当します。専門用語やクライアントの指示を守りながら、完璧な翻訳を目指します。 編集者と校正者: 翻訳をレビューし、ミスがあれば修正し、翻訳の品質を保証するステップです。編集者は原文と訳文を並べてチェックし、校正者は訳文のみを品質基準を満たしたようにチェックします。 翻訳会社におけるワークフロー 次に、翻訳会社におけるワークフローについて話しましょう。翻訳会社における翻訳は、複雑な工程を経ており、その工程は大きく3つに分けられます。 準備 まず、プロジェクトマネージャーがクライアントから翻訳の依頼を受けます。そして、字数、文章の種類や難易度、翻訳に必要な時間の見積もりなど、プロジェクトを徹底的に分析します。その後、クライアントに見積書をお送り、プロジェクトを開始します。 翻訳 これからは、プロジェクトの最も重要な部分となります。翻訳者が原文を受け取り、それを翻訳します。その後、翻訳が終わっても、まだ納品には至りません。その前に、いくつかのステップがあります。翻訳者も人間ですから、時にはミスをすることもあります。このようなミスが最終製品に残らないように、翻訳したものを編集者に渡します。編集者は原文と訳文を照らし合わせながら意味の間違いがないかとか訳し忘れがないかなどチェックし、修正します。 品質保証と納品 修正の後、ネイティブの校正者が訳文のみを読み、文法やスペリングをチェックしてすべての間違いを直します。そして文章が自然で読みやすいかどうかを確認し 、最終のチェックをします。そのステップが終わると、プロジェクトマネージャーは最後の社内品質チェックを行い、翻訳がクライアントの要求(品質、形式)を満たしていることを確認します。最後に、ファイルをクライアントに送信します。クライアントは最終製品を確認し、必要に応じてフィードバックします。 翻訳会社で働くことのメリット 翻訳者として、翻訳会社で働くことは、フリーランスとして働くことに比べて多くのメリットがあります。そのため、多くの翻訳者、特に初心者が翻訳会社に所属しています。 プロとして翻訳を始める時に一番難しいのは、クライアントを見つけることです。翻訳会社に勤めていれば、そのような問題はありません。翻訳会社がクライアントを見つけ、翻訳者に安定した仕事を提供してくれるのです。翻訳者は見積もりや帳簿など気にしないで、翻訳だけに集中することができます。 時には、クライアントが少し気難しいこともありますよね。辛抱強い人でないと、コミュニケーションを取るのも大変になるかもしれません。でも、翻訳会社では、これはプロジェクトマネージャーの役割なのです。プロジェクトマネージャーにコミュニケーションに関することを任せ、翻訳者は自分の得意分野である翻訳に集中できます。 最後に、初心者の翻訳者にとって一番心配なことである「収入」についても、翻訳会社はサポートしてくれます。特に経験のない場合は、クライアントを見つけるのは難しく、時間がかかるものです。翻訳会社で働けば、月末に安定した報酬が支払われるのは確実です。 翻訳会社で働くことのデメリット フリーランス翻訳者の中には、「直接クライアントと仕事をした方がいい」と、翻訳会社との仕事を拒否する人もいます。これは少し大げさかもしれませんが、確かに翻訳会社での勤務にはいくつか不都合なこともあります。 まず、収入がフリーランスとして働いているときよりも低いということです。なぜなら、一つのプロジェクトに対して翻訳者は自分一人ではなく、全員が報酬をもらわなければならないからです。キャリアの駆け出しのころは翻訳会社で働くことは有益ですが、このような理由から、十分な経験を積んだ後、フリーランスになる翻訳者が多いのです。 次に、翻訳会社での勤務は自由が少ないということです。翻訳会社で働くということは、チームの中で働くということでもあります。つまり、いつでもどこでも好きなときに仕事ができるわけではありませんし、翻訳会社の仕事の流れや習慣に従わなければなりません。 どんなビジネスでも、「時は金なり」ですね。翻訳も例外ではありません。翻訳会社は通常、非常に厳しい納期を要求してくるので、できる限り効率的に仕事を進めなければなりません。常により良い仕事、より速い仕事を求められるので、ストレスを感じ、不安になりかねません。その点、フリーランスの翻訳者は、自分のワークフローを自由に管理することができます。 翻訳会社で働きたいなら この記事を読んで、まずは翻訳会社で働いてみたいと思ったのではないでしょうか?ここで、憧れの翻訳会社に入社するためのちょっとしたアドバイスをしましょう。 ほとんどの翻訳会社では、少なくとも翻訳に使う言語が得意であることと翻訳の学位や専門的な勉強が必要です。時にはプロの翻訳者としての経験も求められます。そうでないところもありますが、少なくとも卒業証書がなければ仕事を見つけるのはかなり難しくなるかもしれません。 翻訳会社が履歴書をチェックし、面接を行った後、翻訳者のスキルを評価するために翻訳テストが行われることが多いのです。翻訳テストには十分な時間がありますので、安心して頑張ってください。翻訳したテキストは翻訳会社の人の評価を受け、フィードバックをもらいます。あなたの翻訳が十分質のいいものだったら、採用されるでしょう。たとえ不合格でも、次回はもっと良い翻訳ができるようにアドバイスをもらえるのです。 毎日朝6時に起きて、夜8時までに事務所にいるよりも、 在宅で働いた方がいいという人は、次のように考えてみてください。実際は、多くの翻訳 者が実際に在宅で翻訳会社と契約して仕事をしているのです。採用プロセスと会社での役割 は基本的に同じですが、家にいることができますよ。結局のところ、ほとんどの翻訳者は翻訳会社で働くか、翻訳 会社に所属しているのです。あなたもそのようにしてみたらどうでしょうか。 ポール・アブリウ