スポーツイベントでの通訳

カンタン・パイェット 翻訳と通訳とはよく混同される二つの言葉です。しかし、通訳者の仕事の仕方について言えば、翻訳者に比べて国内でも海外でも可能だし、直接人との関係に基づく仕事です。また、翻訳者と同じように、通訳者が取り扱う話題の種類は幅広いです。それを詳しく紹介する為、改めてスポーツイベントと関係ある通訳に注目しましょう。 1・スポーツの場面の通訳者 スポーツ通訳は、業界全体からみれば特殊な分野です。スポーツ業界だけで通用する通訳ではなく、幅広い分野で通用する能力を身につけたいという方は、技能研修などに参加して基本だけでも学んでおくとよいでしょう。スポーツの場面の通訳者は簡単ではなくて、責任があり、やはりきつい役割のある仕事です。スポーツの世界で活躍している通訳者の多くはフリーランスのキャリアから経験及び自信を重ねつつ、メディアで多く放送されるという役割を心得ています。通訳者として特別なスポーツやイベントに出る前に、様々な言語を上手に話せることだけでは十分ではなく、必ずそのスポーツやイベントについて大変興味を持ち、精通することが一番大切な点です。サッカーワールドカップ、オリンピックなど国際大会イベントは毎年開催されるわけではないので、だいたい代表的な部分は毎週の競技会および選手権大会です。まず、定期的に開催されて通訳の需要が継続し、有名な選手と知りあうチャンスもあって、ハイレベルパーフォマンスを観戦することも便乗できます。さらに、スポーツチームや劇団などの特定団体に所属して仕事をします。サッカーの場合、クラブに所属するのが一般的です。その場合には、通訳者は選手と同様にチームウエアを着て担当していて、まるでフルメンバー・正会員の地位であるということは素敵でしょう。 いろいろな場面でスポーツ通訳や翻訳が必要になります。例えばこのような仕事があります。 ①練習中や試合中(選手と監督が別な言語で指示やアドヴァイスを伝う。逐次通訳)②試合後のインタビュー(テレビなど色々なメディアで放送して生中継のプレッシャーのコントロールが大事。逐次通訳や同時通訳)および記者会見(選手、監督、代表者とともに固定期間で逐次通訳)③テレビ出演(チャンネルでだいたい逐次通訳を行う)④翻訳作業(書類の翻訳)など。 スポーツ通訳には、「演じる力」「共感する力」が求められます。この能力が欠けていると、言葉や感情が上手く伝わらないことがあります。通訳の役割は、話し手の話を伝達することですから、特別な用語、本質的なメッセージを同じ強さで伝えるためには、話し手の個性や表現方法を考慮しなければなりません。自分の強みを見せることが大切なんですが、通訳者の仕事は裏方に徹し、所属してる特定団体に寄り添って働なければなりません。特に記者会見などでは一歩退いて自分の役割を貫くことも求められます。 2・国際イベント スポーツ通訳でもう一つの重要な側面があります。国際、世界的なイベントが開催される時、当然通訳者の職業はさらにレベルが上がります。つまり一定期間選手のパーフォマンスを観るのと同じように、全世界が通訳者たちのパーフォマンスを考慮しつつそのイベントをもっと楽しむことができます。最初に説明した通りに、メディアで放送されることの多い役割なので、強い責任感がとても大切な特性です。 オリンピックやワールドカップの場合、募集はそのイベントの開幕の何ヶ月前また一年や二年前に行なわれています。募集広告が出ると、経験者がもちろん優先されますが、原則として未経験者でも応募できて、彼らはボランティアの役割で働いて特に観衆や普通のお客様の担当をすることです。経験を持つ通訳の場合は、通訳の仕事および翻訳の仕事をする可能性もあります。その二重の役割を担うには組織力が必要です。 また一方では、未経験であっても、やる気があればどんなことにも挑戦できるので、一番大切なのは自分のことを信じて、最終的には国際的なイベントや全世界レベルのイベントを担当することも可能です。

アニメーションの中の歌の翻訳方法 ー ディズニースタジオの事例

ディズニースタジオの映画の中の歌の大切さ どの国から来ても、皆さんはディズニーという名を聞くと、すぐ自分の言語でのディズニーの歌が頭に浮かぶだろう。そのスタジオの数々の歌は子供たちにとっても大人たちにとっても世界中で特別だ。でも、どうやってそのオリジナル曲はあんなに自然な方法に、自分の国の言語に訳されたのか考えたことがあるだろうか。 ディズニー映画の中の歌はストーリーを理解するために、一番大切なことかもしれない。理由は、ぞれぞれの曲が重要な情報を伝えるからだ。普通の対話に比べ、曲は映画にリズムを加えたり、観客に感動を与えたり嬉しくさせたりする。曲の大切さを示す逸話は、昔、スタジオが予算の半分を音楽に使ったということだ。 でも、私たちが本当に興味を持つのは、ストーリーに大事なこの曲が数々の国の言葉に翻訳されていることだ。例えば、「アラジン」からの一番有名な歌「A whole new world 」について調べると、映画が公開された時に曲が20の言語に翻訳されたことが分かる。 では、どの言語でもディズニーの音楽の魔法が人の心を届くために、翻訳の際に注意すべき重要な点は何だろうか。 ディズニーの歌を翻訳するためのローカリゼーションプロセス 翻訳の分野における、ローカリゼーションというのは物産やテキストなどを国や地域に順応するプロセスのことだ。つまり、国の文化や規格によって、同じテキストの翻訳が変わってくる。そうするためには、研究と知識が必要だ。実際は、このようなプロジェクトを担当するのは、たいていネイティブ訳者だ。難しく、面白い翻訳になる可能性が高い。 映画の中の歌を翻訳するために、このローカリゼーションプロセスを使う。吹き替えをする時と同じ、映画の中の歌の訳者は隠喩、慣用語句、名前、訛り、方言などを、ターゲットである観客の心に響くように伝えなければならない。そのために、訳者は翻訳の仕方にはかなり自由だ。現に、吹き替えや映画の中の曲を翻訳するやり方や手順は特にない。ただし、翻訳を効果的に行うために、言語専門家は達成すべき目的がある。結局、観客は歌詞を全部理解して、翻訳だと気づかないようにするほうがいいだろう。それは複雑な仕事だ。訳者は本気にならなければならない。先言った通りに、ディズニーの歌の歌詞は物語性があるので非常に重要だから。 では、曲のローカリゼーションプロセスにおいて、訳者が達成すべき目的の課題に戻ろう。明らかに、一番大切なのは、正しいメッセージを伝えることだ。伝えられるメッセージはオリジナルヴァージョンと同じ情報や気持ちが観客に届かなければならない。簡単に分かるために、「ムーラン」からの「闘志を燃やせ」の例で説明しよう。 オリジナルヴァージョン 日本語ヴァージョン (Be a man) You must be swift as the coursing river  (磨け) 動けもっとすばやく (Be a man) With all the force of a great typhoon   (技を) なるんだもっと強く (Be a man) With all the strength of a raging fire  (磨け) 持つんだ熱い心 Mysterious as the dark side … Lire la suite アニメーションの中の歌の翻訳方法 ー ディズニースタジオの事例

文化的コンテンツの翻訳:ビデオゲームにおける

フランス生まれの大手ゲーム会社「アンカマ」の場合 1. アンカマの歴史 最初は、彼らは同じウェブデザイン代理店で働いている三人の友人でした。アンソニー・ルーはクリエイターとして、カミーユ・チェーファーとエマニュエル・ダラスはデベロッパーとして仕事をしていました。 2001年、彼らは独自の会社を設立することを決めました。「アンカマ」という名の、インタラクティブコミュニケーションに特化し、ルーベーに拠点を置く小さな会社です。日本語に似てる響きの会社名にするために、彼らの名前を交えてアンソニーの「アン」、カミーユの「カ」、エマニュエルの「マ」、というように、三人の名前の部分で「アンカマ」を洗礼された。 インタラクティブコミュニケーションの活動に加えて、三人は、ロールプレイングゲームを開発していた。 そのゲームは、完全にフラッシュを使って開発され、その軽さと使いやすさのために高く評価されている画像作成のソフトウェアによって実現された、Dofus「ドフース」というフランス初の規模多人数同時参加型オンライン(MMORPG)だ。 2004年にオンライン化されるとすぐに、ベストゲーム賞、パブリックアワードという大きな成功を収めた。 「ドフース」は、その時から、急に上昇を開始した。 そのゲームの成功によって後押しされ、アンカマは急速に成長している。 従業員は450人に成長し、チームは15m2の敷地から10,000m2をカバーする旧織物工場に移動しなければならなかった。 これにより、ルーベーを拠点とするスタートアップ「Deloitte Technology Fast50」という賞を二年連続で受賞した。 その間に、Dofusの世界はかなり拡大しました。 2005年に、三人の創設者は漫画を出版し始めて、すぐにベストセラーのフランスの漫画(百万部以上の販売)になった。 Dofusは、アニメのWakfu「ワックフ」がフランス3で放送して、すぐに大きな成功を得た。 フランスで確立されて、Ankamaは今アジア市場を目標として2009年には東京に支店を開設した。 競争はマンガの本場なので厳しいだろうか日本人はビデオゲームでフランスのタッチがとても好きだ! しかし、国際的に輸出できるようにするには、翻訳が不可欠である。 2. 文化的なコンテンツや駄洒落を翻訳するのその挑戦 Dofusの特殊性の一つは、全てが駄洒落になっているという面白い世界観にある。 キャラクターの名前、対話はポップカルチャーへ、フランスや日本の文化の参照でいっぱいある。 その駄洒落は、他の言語の読者が理解できるようにコンテンツを完全に書き直す必要があるため、翻訳者にとってはかなりの課題である。 その場合は、どの翻訳プロセスを使用する必要があるのか? 3. ゲーム海外輸出にローカライズが不可欠な理由  ローカライズは過小評価されている分野であり,デベロッパーの中には,開発サイクルの最後に投入される単純な翻訳作業だと考えている人もいる。 しかし,「翻訳」は決して「単純な作業」ではないことに注意が必要だ。小さな文章であっても,実際の言葉だけでなく,トーンや雰囲気を適切に伝えなければならないため,何時間もの労力が必要とされる。俗語が含まれていたり,特定の文化的言及が含まれていたりすると,その労力は10倍にもなる。媒体による技術的な境界線を加えれば,ローカライズが一般の人が思っている以上に困難な作業であることが理解できるだろう。文化や言語の特殊性を両立させることはチャレンジであり,ローカライズはゲームの世界に重要な変化をもたらす可能性がある。 世界中の経験豊富なローカライザーが参加したパネルでは,ローカライズとライティングの関係,そして翻訳者がライティングの連鎖のもう1つのリンクとしてどのように見られるか(そして見られるべきか)を探っていた。この2つの側面が密接に連携していればいるほど,ゲームのローカライズは向上し,最終的には海外で成功する可能性が高まる。 4. 良い翻訳の基準とは? ローカライザーはターゲット層に合わせてコンテンツをより正確に調整すべきなのか,それとも原文に忠実であるべきなのか。翻訳者は,その国で理解されない場合でも,オリジナルのスタイルを伝える必要があるのか? 結論 ここでの基本的な考え方は,まずターゲットとなる読者を理解し,その人たちの話を聞くことである。国籍の中にもさまざまなグループがある。誰のために書いているのかを知る必要だ。 ローカライズしよう! このアイテームをどのように翻訳するのか? Casque Onsonne ヘルメット・兜 言葉遊びの由来 (https://fr.wikipedia.org/wiki/Consonne) Faux Nème 大鎌(だいかま) 言葉遊びの由来 (https://fr.wikipedia.org/wiki/Phon%C3%A8me) Cape Ostrophe ケープ 言葉遊びの由来 (https://fr.wikipedia.org/wiki/Apostrophe_(typographie) © 2021 … Lire la suite 文化的コンテンツの翻訳:ビデオゲームにおける

日本語とフランス語の翻訳 : 文芸作品の問題

翻訳というのは、仕事より情熱だ。 フランスは翻訳産業がかなり盛んであり、最近日本語からの翻訳は非常に人気が高まっている。特に、村上春樹の書籍が日本国外で極めて成功しているので、ますます日本からの新刊のみならず文豪の古典までが世界中に輸出されている。フランスでは、村上の作品はコリーヌ・アトランという翻訳家に全て翻訳されている。アトランさんは2012年7月7日「Du bout des lettres」というブログへのインタビューに答えて、仕事の特徴と問題について話した。 アトランさんは翻訳家の経歴についてもちろん話し合ったが、今日の記事の話題と関係がない。むしろ、インタビューの一番面白い要素は日本語の翻訳者の生活の様々な問題と期待のことだ。コリーヌ・アトランさんによると、文芸翻訳家 になりたい場合は、情熱が絶対必要だという。実は、フランスの文芸翻訳の分野における事情は他の国より良いけど、まだ十分の収入を得るのは難しい。そのうえ、翻訳の提出期限がますます短縮されていったり、様々な無償の雑務をしなければならなかったり、正式な校閲が必ずしも受けられなかったりする。 苦しい生命 のようだが、その分野への情熱を持ってれば、問題ないだろう。多分、文芸翻訳では不十分なので、十分の給料を手に入れるために、他の翻訳分野や全然違う仕事をする必要があるだろう。しかし、フランスの日本語からの書籍の出版市場は空前のレベルに至ったので、たくさんの仕事が絶対あるはずだ。更に、最近翻訳家の仕事に関する乱用を減少するための新しい改革が施行された。フランスの翻訳家の具合は少しずつ良くなっている。 日本の書籍に「村上エフェクト」の影響。 日本の現在の文豪 について話すとき、大抵最初に思い当たる人は村上春樹だろう。ニューヨークタイムズの初めて出版された日本人作家であり、書籍は50国以上に出版されており、幾つかの作品は世界中でベストセラーになったり、それに様々な文学賞を得たりする 。きっと文学愛好家は 村上春樹からの本の一冊は読んだことがあるだろう。この文豪の影響は極めて膨大だったので、それによって日本の作家の書籍が極めて輸出されるようになった。こういった成功を無視しないつもりが、し かし日本文学と日本語翻訳に村上の翻訳による他の正しくない結果についてを話ししよう。 実は、村上の成功が非常に絶大だったので、この「村上エフェクト」の影響は私たちの日本文学の認識を疎外した。残念なことに、いつでも新しい日本作家が糸口成功が高くなるとき、例外なく同様な批評をよく聞く。 例えば、「ああ、多分次の村上が生まれたそうね」あるいは「村上の書き方とちょっと同じでしょう」、このような断言がよく聞こえる。若手の日本作家が世界に現れると、何時でも過剰に日本以外の文芸評論の下手な癖は村上との比べることだ。 しかし、このような事情は無作為に生まれたのではない。実際、翻訳家はこの状況を行われたそうだった。大概日本語翻訳者は村上春樹の書籍を読んで育ったので、本職になったら、無意識によく村上の書き方を倣って試す 。もちろん、翻訳家が全員そのような行動をしているわけではないが、翻訳の遂行に少なくない影響があったという。しかしながら、ますます種々な区々書き方を持つ日本作家が邁進されていて、女子作家はも少しずつ人気になる。例えば、NIPPONというウェブジンに出版された記事によると、小川洋子や桐野夏生や津島佑子や村田沙耶香などのような女性作家が世界中の日本文化の新しい鑑賞のおかげで日本以外に輸出された。詰まるところ、日本に興味があったら、昔に比べて日本からの書籍か非常にあるから、今は最善の時だ。 ルフェブル・アレックス

ゲーム翻訳の業界

ゲーム翻訳とは? 長年にわたり、ゲーム業界は世界で最も成功した産業の一つとなっています。ゲームの開発では、世界のどの地域で販売するかが決まるため、翻訳が非常に重要になります。この記事では、ビデオゲーム翻訳の歴史についてお話し、ビデオゲーム翻訳のさまざまな特徴を紹介します。 ゲーム翻訳の簡単な歴史 翻訳技術の発達により、テレビゲームは様々な言語で提供されていますが、数十年前はそうではありませんでした。80年代のテレビゲームはもっとシンプルで、セリフがないものがほとんどでした。その後 、新しいゲーム機が発売されると、開発者たちはゲームの中にどんどんキャラクターやセリフを組み込んでいきましたが、それらはまだ各国語に翻訳されていませんでした。 90年代(ねんだい)に入り、CDゲームの民主化(みんしゅか)が進み(すすみ)、ポイント&クリックゲームが登場(とうじょう)するようになってからは、実際(じっさい)に会話(かいわ)シーンがあるゲームが登場(とうじょう)するようになりました。しかし、これらのシーンにはより質(しつ)の高い(たかい)声(こえ)が添(そ)えられていることが多かったですが、それらはまだ本物の字幕ではありませんでした。 ゲーム翻訳の概念(がいねん) (今はゲーム翻訳がどのようにされていますか。) 今は状況(じょうきょう)が違います。グローバル化のおかげで、ビデオゲームの大部分(だいぶぶん)は多くの言語に翻訳されています。ただし、ゲーム会社にある大陸(たいりく)によっては、翻訳される言語が異(こと)なる場合があります。例えば、英語の会社は、ゲームをフランス語やドイツ語などのヨーロッパの言語に翻訳する傾向(けいこう)があります。一方、日本にある企業は、まずゲームを中国語や韓国語などのアジア言語に翻訳してから、欧米向(おうべいむ)けに翻訳します。 どのような種類の翻訳? ビデオゲームの翻訳は、マーケティングやプロモーション分野の翻訳など、一見(いっけん)すると一般的(いっぱんてき)な翻訳分野とあまり変わらない分野です。結局(けっきょく)のところ、それは製品の要素(ようそ)、パッケージ、および付随(ふずい)するプロモーションを翻訳するということであり、この場合、製品はビデオゲームです。例えば、ユーザーマニュアルの場合(物理的なバージョンはほとんどなくなってしまいましたが)、法律に基(もと)づいて記載(きさい)しなければならない法的(ほうてき)な内容(ないよう)はもちろんのこと、一般的(いっぱんてき)な使用(しよう)条件(じょうけん)が記載(きさい)されているので、翻訳が明確(めいかく)で正確(せいかく)でなければならないことは言うまでもありません。しかし、ビデオゲーム自体(じたい)の深い(ふかい)内容(ないよう)になると、必ず(かならず)しも技術的(ぎじゅつてき)な翻訳(ほんやく)や専門的(せんもんてき)な翻訳(ほんやく)が必要(ひつよう)になるわけではなく、ここではテキストや台詞(せりふ)など、原則(げんそく)として翻訳者(ほんやくしゃ)の想像力(そうぞうりょく)に訴えかける要素(ようそ)を指(さ)しています。このように、この種(しゅ)の製品(せいひん)の性質上(せいしつじょう)、ゲームの翻訳は専門分野の技術的(ぎじゅつてき)な翻訳を重視(じゅうし)するのか、それとも文学的な翻訳を重視(じゅうし)するのか、という問いにこたえなければなりません。 技術翻訳か? 多くの人にとって、ゲームの翻訳は、キャラクター同士の会話を翻訳することがほとんどです。しかし、実際には、技術翻訳はとても重要です。例えば、メインメニューはすべてのビデオゲームの中心的(ちゅうしんてき)な要素であり、「new game」や「load game」といった言葉を目にするのは普通のことです。プレイヤーにとっては、これらの言葉の翻訳が違うのは不思議(ふしぎ)なことです。 技術翻訳は、ゲームそのものの中にもあります。例えば、「ザ・シムズ」というビデオゲームには、技術的な翻訳が多く含まれています。実際、このゲームの目的は、キャラクターを作り、現実のように進化させることです。そのためには、家を作り、家具を買わなければなりませんが、その説明は家具屋さんのカタログのように詳細に書かれています。 最後に、ビデオゲームの技術翻訳の最後の要素は、ユーザーマニュアルです。各ゲームの箱に入っており、製品の使い方をプレイヤーに案内するもので、とても重要なものです。 文学翻訳か? ゲームの中での文学翻訳については、ゲームのジャンルにもよると思います。確かに、ロールプレイングゲームの翻訳では、シナリオやキャラクターのセリフなど、ストーリーに関わるすべての部分を翻訳しなければならないので、翻訳者は想像力を膨ら(ふくら)ませることができると思います。 一方で、例えば「FIFA」のようなサッカーシミュレーションゲームを翻訳しなければならない場合、サッカー選手の名前やスタジアムの名前、都市の名前など、ゲームの要素のほとんどが実在のものから引用(いんよう)されているため、想像力(そうぞうりょく)を膨らませる(ふくらませる)のは難しいでしょう。 ゲーム翻訳者になりたいなら ゲーム業界の翻訳者を目指すなら、もちろんゲームが好きで、この分野の最低限の知識が必要です。たとえば「EXP」と言えば「経験値(けいけんち)」のこと、といった言い回(いいまわ)しを知っていたり、ゲーム特有(とくゆう)のUIにも慣れ親(なれした)しんでいたりすることは大きなアドバンテージになります。また、チームで仕事をすることが多いと思いますので、ゲームの開発中(かいはつちゅう)に必要な情報(じょうほう)を伝えられるようなコミュニケーション能力も重要です。 この記事を読んで、ゲーム翻訳の世界について少しでも理解してもらえたら幸いです。翻訳に興味があり、ビデオゲームが好きな方は、迷わずこの分野でのキャリアを考えてみてください。 フレデリック・ファブル

フランス翻訳者協会 (SFT) : プロの翻訳者のネットワーク

翻訳者や通訳者になったら、一番はじめにしなければならないことはネットワークを作るということだと思う。それはなぜだろうか。簡単だ。客や同僚との接点を持つためには、自分の存在を知ってもらうことが必要だ。そのためのいちばん簡単な方法は翻訳者協会だ。翻訳者協会は、世界中の翻訳者や通訳者が一堂に会し、情報を提供し、サポートすることを目的としている。だからこそ、翻訳者協会は最高の方法だと考える。特に、最近数が増加しているので、簡単に見つけられる。そこでこの記事では、フランスの翻訳者協会について話したいと思う。準備はいいだろうか。ではまず紹介から始めよう。 紹介 フランス翻訳者協会は一番有名な翻訳者協会だ。1947年に設立された。本来は翻訳者のために組合だ。今1600人のメンバーがいて、一番古いフランスの翻訳組合だ。労働組合として、翻訳者だけでなく通訳者の利益を守り、フランスでこの分野の職業を促進している。さらに、すべての翻訳職種が網羅されている。例えば、フリーランスの翻訳者や技術翻訳者や文学翻訳者や会議通訳者などだ。その上SFTは世界で最も古い翻訳者協会の一つで、国際翻訳者連盟(FIT*)の創設メンバーでもあった。FITはパリで1953年に設立されて、世界中に100以上の翻訳者協会がある。国家レベルで、SFTは将来の翻訳者を養成する学校や大学と密接な関係を持っている。 * FITについてさらに詳しく知りたかったら、このリンクをクリックしてください。(https://www.fit-ift.org/) メンバーシップと利点 翻訳者協会の特典を享受するためには、会員登録が必要だ。しかし、誰が参加できるのだろうか。基準は何か。そして、そのお金を払う価値のある利点とは何だろうか。それらの質問に答えよう。 ①誰が参加できるのか? SFTの会員は、フランス語を扱うプロの翻訳者であれば誰でも参加できる。プロの翻訳者というのは、この分野で1年以上活躍している人を指す。そのため、正会員(フランスに住んでいる方)と対応する会員(フランス以外に住んでいる方)のいずれかになる。専門職に就いて1年未満の場合は、試用期間中を意味するプロベーショナリー・メンバーになることができる。ただし、翻訳に関係のある方(退職者、一時的に退職した方、教師や研究者、マスター2(またはそれに相当するもの)の学生)は、準会員としてSFTに参加できる。 ②入会の条件は? 上記のような人であれば、おめでとう!最初のステップを通過した。しかし、それに加えて、次のことをしなければならない。それは、協会の中で倫理綱領つまり、守るべきルール のようなものだ。さらに、誰であるかとか、どんな職業をしているかを照明するために、いくつかの書類*を提出しなければならない。そう、フランスは書類の国なのだ。どこにいても逃れられない。年会費は言うまでもない。初めての方は、入場料として40ユーロ(約5200円)を追加して払わないとならない。それ以外の場合は、SFT内での地位に応じて、正会員またはそれに相当する会員は210ユーロ(約27400円)、プロベーショナリー・メンバーは105ユーロ(約13700円)、準会員は52.50ユーロ(約6900円)となる。 * 書類についてさらに詳しく知りたかったら、このリンクをクリックしてください。https://www.sft.fr/justificatifs.html ③会員にとって利点は何? 以上の手順をすべて踏めば、SFTの会員になったことになる。でも、どのような利点があるのかご存じだろうか。ここではその一部をご紹介しようと思う。利点は次のようなことである。 – 倫理綱領で結ばれたプロのネットワークに所属できる – 同僚との出会いや交流できる – 全般またはテーマ別のフォーラムにアクセスし、あらゆる分野の同僚と交流できる – フランス国内で開催される質の高いイベントやトレーニングコースに優待価格で参加できる – FIT会員や海外のパートナーが提供するイベントやトレーニングコースへに参加できる – SFTのニュースレター「Tradzine」を受信できる – オンラインデータベースと会員名簿に掲載できる – 製品やサービス(CATツール、辞書など)を購入する際に、交渉による割引を受け取れる もちろん他にもあるが、すべてを挙げるとさらに長くなる。そのため、全ての利点を確認したい場合は、以下のリンクをクリックしてください。https://www.sft.fr/adherer-a-la-sft.html ④非会員にとって利点は何? 会員としての利点だけでなく、非会員にもいくつかの利点がある。一つ目は、SFTの会員名簿を受ける。特に、「翻訳してほしいけど、誰に頼めばいいかわからない」という潜在的な顧客にはとても便利だ。この会員名簿は、言語ペアや専門分野ごとにすべての翻訳者をリストアップすることができる。もう一つの利点は、翻訳に関する特定の情報にアクセスできるということだ。料金やプロの探し方など、SFTではこれらの情報を公開している。 活動と教育 SFTの基本的な知識と、それがもたらす利点を活かした参加方法については、ご理解いただけただろうか。では、この組合が提供する活動や教育を見てみよう。 ①ニュース まずは、ニュースだ。これは、その名の通り、SFTや翻訳全般、特にフランスにおける最新のニュースを会員や非会員に伝えるためのウェブサイト上のセクションだ。出版された本でも、カンファレンスでも、さらにはフェスティバルでも、すべてがそこで更新される。 ②出版 その名の通り、プロの翻訳者が興味を持つ可能性のある、SFTが参照しているすべての書籍がリストアップされている。各書籍には短い説明文が添えられている。本を買いたくない人も、大丈夫! PDF版が用意されており、問題なく資料をダウンロードすることができる。しかも無料だ。そうでなければ、参考文献を参考にして、近くの本屋さんで必要なものを探してみよう。 ③小口広告 小口広告セクションでは、採用担当者や翻訳者が求人情報を掲載することができる。他の求職サイトと同じように、仕事内容や必要なスキルを記述するだけだ。また、クライアントを探している翻訳者のサービス内容を説明することもできる。 ④教育 SFTは教育コースが充実しており、翻訳者向けのコースもある。翻訳そのものや、翻訳者が必要とされる分野において、さまざまな種類の教育コースがある。フランスの現場で行われるものもあれば、「リモートトレーニング」もある。つまり、テレビ会議による遠隔地での開催だ。健康の状況を考えると、これは非常にタイムリーだ。また、SFTでは、マルチプロフェッショナル教育を提供している。これは、ある分野のすべての職業に開かれていることを意味している。もちろん、自営か雇われかという翻訳者の身分にも適応している。 調査や投票の実施に加えて、これらの行動はすべて、翻訳者が自分たちの権利を認識し、集団的にも個人的にも自らを守ることができるようにするためのSFTの労働組合活動の一環だ。これにより、メンバー間の交流と理解を深めることができる。 これで終わりだ。この記事が役に立ち、SFTや一般的な翻訳者協会の魅力について多くのことを学んでいただけたなら幸いだ。今はピンと来なくても、協会は翻訳者の最大の味方だということを忘れないでほしい。 ファヴル・ローラ (Favre Laura)

法律翻訳者になる方法

皆さんは先生たちに「仕事は決まりましたか」、「専門は決まりましたか」などとよく聞かれているのではないだろうか。でも実際は多くの大学生は自分の将来のことをまだ分かっていない。私もそうだった。翻訳者になりたいと昔からずっと思っていたが、どのような翻訳者になりたいか全く分からなった。翻訳の仕事に多くの分野があるが、マスターを始めるまでは分野の違いを知らなった。皆さんもそうかもしれない。このブログでは、自分の将来の迷路から抜け出すために翻訳の一つの分野である「法律翻訳」を紹介している。皆さんがこの記事を読んで自分の将来を見つけたら私はとても嬉しい。 法律翻訳とは その由来 翻訳とは紀元前3世紀に『旧約聖書』のヘブライ語からギリシア語までの翻訳で始まったと言われている。しかし法律翻訳はその前に始まったという。ローマにおいて紀元前5世紀に最初のローマン法則が書かれた。その法則はラテン語で書かれているが、その時期の国語はギリシア語だった。そのため、ラテン語からギリシア語への法律翻訳が生まれた。 フランスも法律翻訳の歴史に大きな役割を果たした。十三世紀にフランス王ルイ9世はローマン法典をフランス語で訳することを命令した。侵攻は続いて国語も変わるため、法律翻訳が必要なものになった。しかしその文書はただ一つの言語から他の言語で訳されたものだ。 日本の最初の翻訳は284年だったという。それは中国語から漢字を訳した時代だ。だが、文と意味を訳することは江戸時代に行われたという。1853年にマシュー・ペリー提督が日本を世界に開けた時に様々な外国人が来日した。日本語が話せないアメリカ人やイギリス人とコミュニケーションを取るために通訳と翻訳が必要になった。そこで、日本の翻訳創造者とは堀達之助だ。彼は日本語とオランダ語と日本語を通訳・翻訳して、交渉をすることができた。堀辰之助は日米和親条約の翻訳で有名になり、日本語の法律翻訳の創造者として知られている。 カナダがどのように法律翻訳を作成したか 実は、法律翻訳が創造されたのはカナダだと言われている。フランス語と英語を両方使っているカナダは翻訳と法律の曖昧性を上手く取り込んだという。1867年までカナダの法則は英語で書かれていて、その後フランス語に訳されることになった。初めに、法律のことを何も知らない翻訳者が訳した。しかし法律の細かいところを分からずに文書の意味も分かっていなかった。結果としてカナダの法則は最も曖昧になって、たくさんの法廷がその翻訳を拒否した。 そこで1970年代にカナダが法律翻訳の新しいやり方を二つ作成した。一つ目は法則をフランス語と英語で同時に書くこと。二つ目は翻訳と立法作家が一緒に共同で訳することだ。その両方のやり方によって曖昧性がなくなって、法的意味が二言語で残っている。 二十世紀から法律翻訳の必要性 二十世紀になりグローバル化により法律書類を訳する必要が高まった。貿易取引や旅行などで法律翻訳の意味が変わった。法律翻訳はもう法則を訳する仕事だけではなく、様々な書類に広がった分野になった。 その書類は例えばこのようなものである。 貿易に関する書類(売買契約、購入・輸出契約、賃貸借契約、信託契約など) 仕事・会社に関する書類(就業規則、雇用契約、登記簿など) ライセンスに関する書類(ソフトウェア・ライセンスなど) 証明書(ビザ、戸籍など) 裁判に関する書類 この書類は例だけでまだたくさんの書類がある。法律翻訳は広い分野なので、正しく翻訳するため重要なスキルが必要だ。 法律翻訳者になる方法:スキルと勉強 スキル もちろん翻訳者として言語の能力が必要だ。まずは二言語の能力で、ソース言語で書かれた文章を理解して、ターゲット言語でその意味と内容を訳すことが大事だ。だが、意味を理解するために法律の知識も習得しなければならない。その方法でソース言語の国の法律とターゲット言語の国の法律の違いや同じところが分かるようになる。 さらに、法律と言ったら、特別な語彙と表現があるということだ。それは英語で「legalese」、または日本語で「法律用語」と言われているものだ。日常的に使われていない言葉、書き方、表現などを知る必要が生じる。その語彙や表現が分からないと、文章の法律的な意味も訳すことができないだろう。 しかし、その知識はどうやって学ぶだろうか。法律の勉強は必要だろうか。 勉強 実は、法律学部や法科大学院を卒業する必要がない。それはなぜだろうか。法律翻訳者は法律を知るべきではないのだろうか。しかし、元々法律翻訳者は翻訳者だ。翻訳者の専門と仕事は言語の知識とその使い方だ。大勢の初心者の翻訳者はたくさんの分野の文章を訳すが、その翻訳者たちはその分野を全く知らないことが多い。従って、全ての分野を卒業する必要がないのだ。さらに、①に紹介したように翻訳者はよく専門家と共同で働いている。 では、どのような勉強をしたらよいのか。 言語と翻訳の学科を卒業するのが理想的だ。例えば、グルノーブルアルプ大学で「LEA」学士を卒業したら、二言語や文化や経済や法律や経営の専門で知識をもらえる。その後、翻訳のマスターをしたら、翻訳の仕事の本質を知ることができる。だが、法学部の勉強が必要だと思っている人もいる。その場合は法学部を卒業せずに、言語の学士の後で、短い法律トレーニングをすることができる。法律の勉強は自分自身でしか決めないものだ。 しかし、卒業以外に一番大事なのは訓練だ。たくさんの法律文章を読んで、翻訳者としての活動を始めたら法律に関する知識が高まる。法律文章はよく同じ表現や書き方を使うので、色々な文章を訳したらもう法律の語彙習得できるだろう。 もっと進みたいなら、宣誓翻訳者にならないか 宣誓翻訳者と法律翻訳者を間違える人が多い。その二つの専門はちょっと似ているが違うところがある。両方とも翻訳者は法律の文章を訳す。しかし、宣誓翻訳者は大使館、公的機関、領事館、入国管理局に必要とされる書類を訳す。その書類は例えば、出産証明書や結婚証明書や卒業証明書などだ。要するに宣誓翻訳者は個人に関係ある書類を国のために訳すのだ。宣誓翻訳者は訳された文章に認証印鑑を押す。 フランスではその認証を受ける方法は簡単だ。まずは翻訳者として努めなければならない。新卒業者なら、経験を積んだ方がいい。その経験のおかげで訳す文章の種類の文章が広がって、認証を受けるチャンスも高まる。十分な経験を得たら応募する時だ。 年の初めに地方の大審院から応募の申請書を取りさせる。履歴書のように自分の学歴や職歴や送付状を書こう。全部が完成したら、3月までに申請書を大審院に送ろう。そこから12月まで待つしかない。その間に警察が自分の前科を調べて、罪を犯したかどうかを確認する。12月に結果が出る。成功したら地方の控訴裁判所で宣誓をする。その後、フランス全国の宣誓翻訳者の資格を取得し、5年間の更新が可能だ。 日本では宣誓翻訳者という資格がないが、「認証翻訳者」がいる。その翻訳者は控訴裁判所で宣誓をせずに、ただ翻訳力の試験を受ける。その後、翻訳した書類の終わり認証印鑑を押す。 最後の一言 この記事でもう法律翻訳の専門家になっただろう。この記事を読んでこの分野について想像をすることができ、この分野に自分が興味を持つかどうかを確認出来るなら、私は嬉しい。もちろん、訓練と経験なしで確認することは不可能なので、翻訳のマスターやインターンシップをすることをおススメする。 記者:アレクシア・クルブラン

多言語ウェブサイトについて話しましょう

ウェブサイトを構築し維持するには、相当な手間が掛かります。多言語化する際は尚更です。機械翻訳が過去数十年の間に大きく進歩してきた一方、企業や個人の人はウェブサイトを外国語へ翻訳する時には、機械翻訳に頼ることは避けた方が良いでしょう。そこで、翻訳家の出番となるわけです。この記事では、ウェブサイト翻訳の側面についてご説明し、各ウェブサイトが伝えたいイメージに沿った高品質な作業を提供するための助言を幾つかご紹介したいと思います。 ウェブサイト翻訳の側面 ウェブサイトには、とある奮起させる芸術家のショーケースウェブサイトであったり、名門大学やお気に入りのレストランなどの公式サイトであったり、幅広いタイプがあります。各国が相互に依存しているこの世界では、企業や組織は自社ウェブサイトを通じたリーチを拡大し、すなわちコンテンツを多言語化・現地語化することが求められています。翻訳家にとっては喜ばしいことではないでしょうか! 先ずは、ターゲット言語について注目してみましょう。多言語化する際には、どの外国語へ翻訳するかということは、各ウェブサイトの存在意義に大きく左右されます。例としては、インドの消費者といったターゲット市場を狙う企業は、自社ウェブサイトの翻訳ニーズをヒンディー語やベンガル語、つまり2、3ヶ国語に絞ることができます。そのような明確なターゲット層を狙うのではなく、逆にできるだけ大勢の人にアプローチしたいと考えている企業や組織は、話者人口の多い言語について調べ、自社のニーズに合わせて選定すると良いでしょう。英語が先に頭に浮かぶのは当然のことですが、中国語(標準語)やスペイン語、アラビア語など、他にも様々な言語が流行となっています。 複数の国で話されている同じ言語について言えば、国により違いがあるというポイントがあります。同じ英語でもイギリス英語やアメリカ英語、オーストラリア英語などに綴りや発音、語彙の点で違いがあるのと同様、メキシコやコスタリカ、コロンビアなど、中南米の各国で話されているスペイン語にもそのような違いがあります。そしてそれは、他の多くの言語にも当てはまります。ベルギーのフランス語やカナダのフランス語、ブラジルのポルトガル語など、数え上げればきりがありません。一つの言語には多くの地域性があり、種々な翻訳過程があるというのは、とても素晴らしいことだと思われませんか。しかし、翻訳家としては、高品質な作業を提供するためには、ソース言語からターゲット言語へ翻訳することだけでは不十分です。 現地語化というのは、翻訳そのものと同じくらい、いやそれ以上重要な過程なのです。現地語化の例としては、日付や電話番号、住所に適切なフォーマットを使用したり、現地の単位や通貨に変換したり、また文化的な側面に合わせてコンテンツを変更したりすることが挙げられます。後者は不可欠です。なぜかというと、多くの企業は、ターゲットとなる国の文化的な違いを考慮していなかったため、自社の製品やサービスをその国へ適正に輸出できなかったからです。従って、翻訳家というのは、ウェブサイトのコンテンツを海外向けに適切かつ効果的に現地語化するのに、極めて大切な役割を担っています。 最後になりましたが、高品質な作業を提供するためには、ウェブサイトのイメージや理念に沿うことが肝要となります。しかし、時には現地語化のニーズと衝突することもあります。上記に述べられたことを達成するのには、ソース言語とターゲット言語及び両者に関する文化についての豊富な知識に加え、創造性を発揮する必要があります。なんと刺激的なチャレンジではありませんか! 翻訳家への助言 さて、これまでに解説してきたことを踏まえ、ここからは実践編です。冒頭から末尾まで明確に構造されている文書とは異なり、何数ものウェブページで構成されたり、山ほど情報が表示されたりしているようなウェブサイトを翻訳する際、最初は圧倒されることもあるかもしれません。しかし、心配はいりません。ウェブサイトを運営する企業の目的や手段によっては、そのような大型プロジェクトを翻訳者のチームで遂行することもあれば、またプロジェクト主催者に「ホームページ」や「会社案内」などの部分的な翻訳を依頼されることもありますから。 翻訳プロジェクトが確定されたら、どこから手をつければいいのか、と思うこともあるでしょう。特にウェブサイト翻訳の経験が浅い方は、翻訳作業に入る前に、先ずは似たようなタイプのプロフェッショナル・ウェブサイトで、利用された主な言語(母国語)がターゲット言語であるものを探し参照にすると良いでしょう。ウェブページを一枚ずつスクロールし、トーンやビジュアル面に慣れていきましょう。もちろん、それぞれのウェブサイトには特徴があるので、1、2つだけに絞らない方が良いです。より多くのウェブサイトを読み込むことで、より明確な理解が得られ、翻訳作業がよりスムーズに進むでしょう。 一つ例を挙げれば、某ベーカリー&ペストリー・ショップがフランス人の居住者・観光客の間で人気を博し、店主が自社ウェブサイトのフランス語版を提供したいと考えていたとします。先ずは、フランスにある有名なお店の公式サイトを色々探し参照にすると良いでしょう。翻訳家としては、ターゲット言語が母国語であろうと、またターゲット言語を習得していようと、一つのテーマから専門用語や、新しい造語・表現、キャッチフレーズなど、学ぶべきことは必ずあるでしょう。 「ウェブサイト翻訳の側面」でも述べられましたが、ターゲット言語に関する地域的かつ文化的な違いには考慮すべきだと覚えておきましょう。ウェブサイトの伝えたいメッセージは、ターゲット層が利用されているトーンや語彙に慣れていないと、完全に的外れなものになってしまうこともあります。とは言え、現地語化されたコンテンツが本来のメッセージから離れすぎてしまうと、企業の理念が失われてしまうというリスクもあります。このように、プロジェクト主催者とターゲット層の両方のニーズと期待に応えきれるバランスを生み出すと良いでしょう。 ウェブサイト翻訳をする際には、利用可能なスペースに考慮するポイントもあります。言語の中では、多かれ少なかれ簡潔に表現できるものがあります。中国語では1行で済む文章でも、フランス語では3行になってしまうこともあります。ソース言語とターゲット言語に応じては、ターゲット言語のコンテンツがスペースに収まるように、部分的に再構成したり、余分な表現を避けたりする場合があります。又は逆に、ソース言語のコンテンツと同じ長さに、つまりスペースを埋めるために言い回しを工夫する場合もあります。もし、ウェブページのスペースやレイアウトが問題になるようであれば、プロジェクト開催者と相談し解決策を見出すと良いでしょう。それから、左横書き言語をアラビア語などといった右横書き言語へ翻訳する際(逆もまた然り)には、ウェブページのレイアウトを全面的に変更する必要となります。その場合には、必須スキルを持った翻訳家が実行することもあれば、また任命されたウェブデザイナーと協力し作業を進めることもあります。 一言でいうと ウェブサイト翻訳というのは、コンテンツのタイプも幅広く、言語ペアも様々があるため、プロフェッショナルの域で成長の余地が沢山あります。翻訳家の何方にも相応しい作業というわけではないかもしれませんが、それはどのような翻訳の分野にも当てはまることでしょう。ウェブサイトの担当者様と長期的な関係を築き、活動の更なる発展に積極的に活躍する機会になるかもしれません。あるいは、一時的で多くの翻訳プロジェクトに携わり、自分の知識と共にネットワークを広げていく機会になるかもしれません。いずれにしても、貴重な経験を得ることができます。では、ウェブサイト翻訳に挑戦してみませんか。 メリス・リーマン