逆転裁判のゲームを例として
Mallaury BOZA
翻訳とはメッセージ・コンテンツ・文書をある言語から他言語へ書き写すことである。翻訳業界の中には、様々な活動がある。本章では、その一つであるローカリゼーションを定義するともに、ローカリゼーションの例を紹介する。
ローカリゼーションとは ?
大きな修正を行わずに、メッセージ・コンテンツ・文書をある言語から他言語へ書き写し、自然な文章に翻訳するのに比べ、ローカリゼーションは対象(文書、ソフトウェア、品物、ビデオ)をターゲット市場の消費者や地域により作り変える。目的は対象の消費者にコンテンツを分かりやすくし、より身近なものだと感じもらうことである。
フランスの会社の「アルトラデュクション」によると、ローカリゼーションは次のような様々な要素を伴う:
- 文化的参照
- 現地の隠語
- 日付・時間、通貨、所、測定単位の適応
- 現地のニュース
- 名前
ローカリゼーションは翻訳される言語が話されている地域と対象地域の文化、用語、生活などの膨大な知識が必要だ。現在、ローカリゼーションの市場の大部分はゲーム業界が占めている。ゲーム業界はコロナ禍からより台頭をおこし、2021年には、ゲーム業界は世界で1550億ドル以上の規模になり、2022年には20億人近いゲーマーが存在するになった。
この事業を説き明かすために、日本で人気な弁護士のゲームを例にし、フランスのバージョンでのと日本のバージョンでのアダプテーションを比べよう。
『逆転裁判 』の紹介
『逆転裁判 』(Ace Attorney)とは株式会社「CAPCOM」が開発し、2001年に発売されたゲームである。このゲームの脚本は2001から2012年までシュウ・タクミが担当し、2013からは山崎 貴が担当した。アシスタントは、岩垂徳行(メインコンポーザー)と岩本達郎(シリーズのアートディレクター)が務めた。このゲームには主人公は2人いる。まず、成歩堂龍一 (なるほどりゅういち・フランス語名は英語のバージョンに基づいて「Phoenix Whright」と呼ばれる)。この若い弁護士は犯罪者と責められている依頼人を無罪にしなければならない。これらの裁判のシーンは、捜査のシーンの合間に出てくる。捜査中に証拠を集めたり、様々証人から証言を得たり、裁判の時に取材と証拠を使って、矛盾を指摘する。2人目の主人公は龍一成歩堂の生徒にあたる法介王泥喜 (ほうずきおどろき・フランス語名は英語のバージョンに基づいて 「Apollo Justice」と呼ばれる)だ 。彼らが出てくるシリーズは全シリーズの中で最も長いが、ゲームのローカリゼーションの例の例を挙げるために、2つのゲームを見てみよう。
逆転裁判から見たローカリゼーションの例
- 名前のアダプテーション
フランス語のバージョンで、ローカリゼーションを担当したひとはキャラクターの名前でいろいろな冗談や言葉遊びを使った。
Ema skyeの例
フランス語と英語のバージョンでは、Ema Skyeと呼ばれているが、日本語では宝月 茜(ほうずきあかね) と呼ばれている。フランス語版も英語版も、日本語版に忠実であるために、キャラクター名の空のイメージを守ろうとしているのがわかる。
Eva cozésouciの例
フランス語のバージョンではこのキャラクターの名字の意味は他人に「迷惑な人」という意味だ。日本語のバージョンではこのキャラクターの名前は大沢木ナツミである。大騒ぎ(おおさわぎ)という語呂合わせになっており、うるさくて騒々しい人のイメージを持てる。この場合には、日本語の名前の意味に近づけるのが難しいため、フランス語のバージョンでは言葉遊びをの要素を取り入れ、日本語の名前にすこし忠実になるようにしながら、キャラクターの態度に基づいてされた。
Virgile grimoireの例
フランス語のバージョンではこのキャラクターの名字の意味は「魔法の本」という意味。日本語バージョンでは、或真敷バランという名前だが、苗字の発音が「マジック」にかけられている。このキャラクターが魔法使いであるため、両方のバージョンで、魔法に関する名前が付けられた。
そのアダプテーションは名前だけではなく、文化にも関わっている。
- 文化のアダプテーション
画像は「つわはす」のユーチューブ動画よりキャプチャ
画像は「Antoine Daniel」のユーチューブ動画よりキャプチャ
まず、ゲームの舞台となる地域を変更した。逆転裁判裁判5を例に見てみよう。第2章では、王泥喜くんと王泥喜のアシスタントのみぬきが、成歩堂くんの要請により九尾村に捜査しに行った。日本のバージョンではその村は日本にあるが、フランスのバージョンでは日本バージョンの村に相当するフランスの観光地が舞台となっている。
フランスのバージョンでは、日本語で書かれている看板が修正された。日本語とフランス語の台詞が違うものになっている。
画像は「駒やんGames」のユーチューブ動画よりキャプチャ
画像は「Antoine Daniel」のユーチューブ動画よりキャプチャ
そして、フランスバージョンではこのゲームの舞台はフランスであるため、キャラクターの出身も変わっている。日本のバージョンでは、ナツミは大阪からきたカメラマンとされているが、フランスのバージョンではマルセイユ出身になっている。大阪人はマルセイユ人に似ていると言われるからだ。
翻訳者がフランスのバージョンで大阪弁を、マルセイユでよく使われている表現に変換した。
フランス文化に忠実なゲームにするために、キャラクターの食べ物の好みまで変えている。この無駄に見える作業はゲームのローカリゼーションの肝要な部分であり、消費者がよりゲームの世界に入り込めるようにしている。ローカリゼーションは非常に大事だが、残念ながらこの業界は十分に認知されていない。ローカリゼーションに携わっている人々のは創造性が認められ、: ゲームの質が向上するような環境が必要だ。
参考資料
https://altraductions.com/blog/quest-ce-que-la-localisation-en-traduction
https://aceattorney.fandom.com/wiki/Ema_Skye?wikia-footer-wiki-rec=true
https://aceattorney.fandom.com/wiki/Trucy_Wright
https://aceattorney.fandom.com/wiki/Valant_Gramarye
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E8%BB%A2%E8%A3%81%E5%88%A4
https://fr.wikipedia.org/wiki/Ace_Attorney
https://fr.wikipedia.org/wiki/Takashi_Yamazaki_(r%C3%A9alisateur)
https://www.jeuxvideo.com/articles/0001/00019015-phoenix-wright-ace-attorney-dual-destinies-test.htm
YOUTUBE_https://www.youtube.com/watch?v=xwNAGplX83o&list=PLv0O-QdR5ojw-y99SYfEIsWeKMa1K2AyR
YOUTUBE_https://www.youtube.com/watch?v=W9gYB7jNHNY&t=233s