借用語は言語を脅かすか それとも豊かにするか

Emeric Van overmeire

翻訳者になりたい人は、もちろん言語に興味があるだろう。そのため、この記事を読みながら、フランス語を勉強している人も、日本語を勉強している人も、ただただ私のように言語に興味がある人、一緒に少し借用語について考えていきたい。

すべての言語は生きもののように時間とともに進化している。その変化の原因はいろいろあるが、その中でも特に借用語が大きな役割を果たしている。現在、グローバル化により借用語の大切さが激増した。借用語は言語の純粋さを脅かすものだと考えている人がいる一方で、借用語は言語の豊かさや多様さなどにとって必要なものであると考えている人もいる。

グローバル化

昔に比べて、現在の世界では文化がよりつながっており、それはグローバル化と呼ばれている。日常で使っているものは世界中を駆け巡っているし、インターネットで地球の裏側の人と話すことができるし、世界中の報道を見ることができるし、より簡単に他の国に住むこともできる。そのつながっている世界では通信は大変大切なことである。そのような状況の中、自然に言語間でも交換が行われている。そして、現在では、母国語だけではなく一つや二つ外国語を話す人の数が増えている。

借用語とは

ある言語から別の言語に同化した語彙を借用語と呼ぶ。その過程で語彙の意味、発音、書き方などが変化することもある。例えば、日本語の「コーヒー」は英語からの言葉(Coffee)で 「カフェ」はフランス語からの言葉(Café)。フランス語の「Café」は場所と飲み物の意味があるが、日本語では場所だけの意味が残っている。

日本語の借用語とフランス語の借用語

日本語では、借用語、または外来語がある。その中では、和製語、例えば、和製英語や和製漢語などがある。外来語と借用語は他の言語の語彙である。一方、和製語は、他の言語の言葉から、新しい日本語の語彙を作ることである。

また、借用語の中では、昔の借用語と現在の借用語がある。日本語では、古墳時代から中国語の書記体系の一部を使って、そして、平安時代からはひらがなとカタカナを使うようになった。つまり、日本の漢字と書記体系そのものなのだ。また、明治時代からドイツ語、ロシア語、フランス語、オランダ語などの借用語が日本語に見られるようになった。そして、現在の日本語にはアメリカから英語の借用語を多く入ってきている。

日本語に対して、フランス語の事情は違っている。大分昔からフランスという国はヨーロッパの他の国と人、ものや文化を交換していた。例えば、昔のフランス語だった語彙は英語になった、そして、新しい形でまたフランス語に同化した。また、フランス語では日本語の言葉もある。例えば、「karaoké」(カラオケ)をよく使っている。だが、カラオケ自体は日本語でも新しい言葉である。日本語の「空」と英語の「orchestra」の「オケ」で作っていた。

借用語に関する議論

新しい言語では、借用語になった言葉は変化することが多い。まず、ほとんどの場合言葉の発音がかわる。言語それぞれは違う音声システムがあるからだ。次に、同じ理由で書き方は変わることもある。例えば日本語の外来語はほとんどカタカナで漢字のほうが分かりやすいと思います。そして、意味も変化する。

一部の借用語は言語に元々あった語彙の代わりになるから、時々「危険」だと考えらえている。例えば、現在の日本語では「きっぷ」という言葉より、「チケット」が使われている。フランス語にも多くの例があり、「commerce」の代わりに「business」がよく使われている。なぜなら、「business」がモダンでお洒落なイメージがあるからだ。だが、多くの場合では借用語に相当するものがないから、二つの可能性があり、借用語を使うかそれとも新しい言葉を考えるかどちらかだ。その場合借用語は新しい言葉となるから言語を豊かにする。借用語の代わりに新しい言葉を作るのには時間がかかり認定される必要がある。フランスではそれは「Commission d’enrichissement de la langue française」(フランス語強化委員会)の役目である。専門分野でそれはもっとも重要なことである。なぜなら、専門分野では語彙を分からない場合や言葉を間違る場合と危険な結果なものになることがある。そのため、専門分野の語彙を統一しなければならない。

結論

借用語は新しい概念や流行から生まれ、他の文化の理解を促す。そして、借用語により少しでも他の文化が理解できるようになると思う。確かに専門分野のために語彙を選ぶ必要があるが日常の言葉において一般人はどの言葉を使う自由がある。言語の豊かさのために新しい言葉が必要である。そのような状況で、借用語も新しく作った言葉も同じように大切大切だと、と思う。そのため、借用語を認めると同時に借用語の使い方について考えることも必要だと思う。

翻訳者は言葉を訳すので、外国語に最も接する人々である。そのため、翻訳者は重要な役割を担っている。どの言葉を選ぶかによって、文の意味や雰囲気などは変わってくるが、残念ながら翻訳者にはそれを選ぶ時間があまりない。

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